



台湾ニューシネマの傑物ワン・トン監督の自伝的名作『赤い柿』
ユーモアあふれる祖母を中心に、時代に翻弄される大家族を描いたヒューマンドラマ

『赤い柿』[デジタルリマスター版]
日本劇場初公開1995年/台湾/168分/中国語 原題:紅柿子 © Taiwan Film and Audiovisual Institute. All rights reserved. ★第33回金馬奨最優秀美術設計賞受賞、最優秀監督賞・最優秀主演女優賞ノミネート
1949年。国共内戦に敗れた国民党軍とともに、王将軍一家も台湾への移動の準備を始める。やがて新天地台湾へやって来た一家は郊外の広い日本家屋に暮らし始めるが、10人の子沢山一家の暮らし向きは父親の退役とともに次第に苦しくなっていく。そんな中、家族の生活を支えていたのが、孫たちに囲まれたおばあちゃんの知恵とユーモアだった―。
あらすじ
1949年中国河南省。国民党軍の王将軍一家が慌ただしく旅支度を整えている。国共内戦に敗れ一時的に台湾へ逃れるためだ。一家はおばあちゃんとお母さんを筆頭に大勢の子供たちを連れて、将軍不在のまま副官らとともに家を出る。中庭の柿の木は枝いっぱいに実がなっていた。上海港では台湾へ渡る大きな船が出向の準備を整えている。従者のひとり福順は、おばあちゃんが大切にしている柿の書画を持ったまま乗り遅れてしまうのだった。
一家は軍の用意した台北郊外の広い日本家屋で暮らし始め、子供たちはすぐに台湾での日々に馴染んでいく。一家から遅れて負傷した王将軍も台湾へ。「大陸反抗」を掲げ大陸奪回の機会をうかがうも、やがて退役してしまう。家族を養うため、王将軍は慣れない商売や養鶏に手を出しては失敗を繰り返し、一家の暮しも次第に苦しくなっていく。そんなある日、上海港で生き別れになっていた福順と再会。柿の書画もおばあちゃんのもとに戻って来たのだった。
やがて困窮した一家は故郷から持って来た書画を売り払うことで、子供たちの学費をねん出しようとするが、そのほとんどが贋作であることが判明する。そんななか、鑑定士が目を付けたのがおばあちゃん部屋に飾られたあの柿の書画だった…。
解説
1942年に中国大陸で国民党軍の将軍の家に生まれたワン・トン監督が、母方の祖母の所蔵していた斎白石の名画「五世(柿)其昌」にインスピレーションを得た自伝的作品。動乱の時代を背景に生活苦をユーモアあふれるアイデアで乗り切り、孫たちを連れて映画を楽しみ、芸術を愛するおばあちゃんの存在は、後のワン・トン監督の作品群に見られる高い美術センスと喜劇性の源を感じさせる。ワン・トン監督の父親がモデルの王将軍をキン・フー監督作品の主演で知られる名優シー・チュンが演じ、おばあちゃん役を戦前に中国大陸で演劇を学び、渡台後は1960年代からテレビドラマや映画で活躍し「陶姑媽」の愛称で知られたタオ・シューにとっては本作が遺作となった。チャン・シー、ウェン・イン、ファンロンといったワン・トン監督作品でお馴染の俳優や、『スーパーシチズン 超級大国民』 に主演し本作が映画出演最終作となったリン・ヤン、俳優のみならず歌手や映画監督としても活躍が目覚ましいレネ・リウ、2000年代のアイドルドラマの母親役で頭角を現すワン・シュエンや映画やドラマのバイプレイヤーとして活躍するチャオ・チェンピンも出演している。
スタッフ
プロデューサー シュー・リーコン(徐立功)
監督・脚本 ワン・トン(王童)
撮影 ヤン・ウェイハン(楊渭漢)
録音 ヤン・ジンアン(楊靜安)
編集 チェン・ションチャン(陳勝昌)
音楽 ユー・グアンイェン(于光彥)
美術 リー・フーション(李富雄)
衣装 リー・バオリン(李寶琳)
キャスト
おばあちゃん: タオ・シュー(陶述/陶姑媽)
お父さん(王将軍): シー・チュン(石雋)
お母さん: ワン・シュエン(王琄)
ラオヤン(老楊): ルー・ジー(魯直)
フーシュン(福順): チャオ・チェンピン(趙正平)
フォン(馮)副官: チャン・シー(張世)
長女(学生時代): レネ・リウ(劉若英)
ワン・トン(王童)監督プロフィール
1942年中国安徽省大和県生まれ。国立台湾芸術専科学校卒業後、中央電影でキン・フー監督の『残酷ドラゴン 血斗竜門の宿』(67)『俠女』(70)等に美術スタッフとして参加、その後リー・シン監督、パイ・ジンルイ監督らの下で美術を担当し、高い評価を得る。1981年『仮如我是真的』(If I Were for real・未)で監督デビュー、同作で第18回金馬奨最優秀作品賞、最優秀主演男優賞、最優秀改編脚本賞を獲得。代表作に『海を見つめる日(看海的日子)』(83)『村と爆弾』(87)『バナナパラダイス』(89)『無言の丘』(92)など。『熱帯魚』(95)『藍色夏恋』(02)プロデューサー。自身の監督作品のほか、100を超える作品で美術指導にあたる。2007年に台湾文芸界における最高栄誉賞である国家文芸賞を、2019年に金馬奨の名誉賞である終身成就奨を受賞。現在はウェイ・ダーション監督が製作中の「台湾三部曲」にアドバイザーとして携わる。
上映作品ラインナップ
ワン・トン監督/台湾近代史三部作

『村と爆弾』[デジタルリマスター版]
1987年/台湾/98分
出演:チャン・ボーチョウ、ジョウ・シェンリー、ウェン・イン
★第24回金馬奨最優秀長編作品賞、最優秀監督賞、最優秀オリジナル脚本賞受賞
★第32回アジア太平洋映画祭最優秀作品賞、最優秀助演男優賞受賞
© 1987 Central Motion Picture Corporation / © 2015 Taiwan Film and Audiovisual Institute. All rights reserved.
あらすじ
日本統治時代末期、太平洋戦争真っただ中の台湾。農村で暮らす小作人のアファとコウヅエの兄弟は家族とともに貧しい生活を送っていた。母親は耳が遠く、妹は夫を戦争で失って以来、精神を病んでいる。ある日、遠方から地主がやって来て、兄弟に田畑を製糖会社に売り払うと告げる。さらに追い打ちをかけるように日本人に一家の唯一の財産である牛が徴用されてしまう。翌日、村が米軍の空襲を受けるが、敵機が去った後、兄弟の畑に残されたのは一発の不発弾。上官から褒美をせしめようと、兄弟と村の巡査は隣町の駐在所へ不発弾を届けることにするが…。物言わぬ案山子を通して、日本による植民地政策のもと、不条理な状況に置かれた台湾の人々の強かな生き様や戦争の悲哀をユーモアたっぷりにテンポよく描いた。

『バナナパラダイス』[デジタルリマスター版]
1989年/台湾/148分
出演:ニウ・チェンザー、チャン・シー、ゾン・チンユー
★第26回金馬奨最優秀助演男優賞受賞、最優秀作品賞、最優秀主演男優賞、最優秀オリジナル脚本賞、最優秀衣装デザイン賞、最優秀録音賞ノミネート
© 1989 Central Motion Picture Corporation / © 2015 Taiwan Film and Audiovisual Institute. All rights reserved.
あらすじ
1949年、幼馴染みのダーションを頼って国共内戦中の国民党軍に潜り込んだ青年メンシュアンは、寒風吹きすさぶ荒涼たる中国華北から、バナナが実る緑豊かな南国台湾へとたどり着く。その新天地で二人にスパイ容疑がかけられ、メンシュアンは命からがら逃げだす。途中、ある男の臨終に出くわしたメンシュアンは、その妻ユエシャンに彼女の夫に成りすまして仕事に就くことを持ちかけられる…。大陸から台湾に渡り、数奇な運命を辿る男の半生を綴る。日本人の知らない戦後台湾史を、ユーモアあふれるエピソードと奇想天外な展開で描き出す最高傑作!

『無言の丘』[デジタルリマスター版]
1992年/台湾/175分
出演:ポン・チャチャ、ホアン・ピンユエン、ヤン・クイメイ
★第29回金馬奨最優秀長編映画賞、最優秀監督賞、最優秀オリジナル脚本賞ほか
★第38回アジア太平洋映画祭最優秀脚本賞、最優秀美術設計賞受賞
★第1回上海国際映画祭最優秀作品賞受賞
★第6回シンガポール国際映画祭最優秀主演女優賞、審査員特別賞受賞
© 1992 Central Motion Picture Corporation / © 2015 Taiwan Film and Audiovisual Institute. All rights reserved.
あらすじ
大正時代末期~昭和初期、日本統治下の台湾。チュウとウェイの小作人兄弟は両親の葬儀費用のために地主と不当な長期労働契約を結ばされていた。ある日、ゴールドラッシュの噂を聞きつけたふたりは村を抜け出し金瓜石(キンカセキ)へ向かい、未亡人ズーの家に部屋を借りながら劣悪な環境のもと、日本人が管理する鉱山で金採掘に従事する。やがて兄のチュウは強かに生きるズーに、弟のウェイは九份(キュウフン)の娼館で下働きする琉球人娘の富美子に惹かれ始めるが…。貧しい鉱夫の兄弟の視点で、日本人の経営する金瓜石鉱山における台湾人労働者の生活をリアルに描く。
台湾ニューシネマの監督たち(製作年順)

『風が踊る』[デジタルリマスター版]
1981年/台湾/92分
監督:ホウ・シャオシェン
出演:フォン・フェイフェイ、ケニー・ビー、アンソニー・チェン、メイ・ファン
©1982 Kam Sai (H.K.) Company © 2018 Taiwan Film Institute. All rights reserved.
あらすじ
CMの撮影で澎湖島を訪れた女性カメラマンのシンホエは、事故で視力を失った青年チンタイと知り合う。その後ふたりは台北で偶然再会を果たすが…。1980年代初頭の、民主化へと向かいつつある戒厳令下の台湾社会を背景に、伝統的な家族観や結婚観と自由恋愛の間で揺れ動く自立した女性の心理を、澎湖島、台北、鹿谷を舞台にキャッチーな歌謡曲と共に軽やかに描いた、ホウ監督台湾ニューシネマ以前の作品。

『坊やの人形』
1983年/台湾/108分
監督:ホウ・シャオシェン他
出演:チェン・ボージョン、ヤン・リーイン
© Taiwan Film and Audiovisual Institute. All rights reserved.
あらすじ
60年代前半の台湾を舞台に必死に生活を送る人々の姿を描く、台湾ニューシネマの誕生を告げた記念作。「坊やの人形」「シャオチの帽子」「りんごの味」の三部作で構成されている。監督は「坊やの人形」がホウ・シャオシェン、「シャオチの帽子」がソン・ジュアンシャン、「りんごの味」がワン・レン。

『風櫃の少年』
1983年/台湾/101分
監督:ホウ・シャオシェン
出演:ニウ・チェンザー、チャン・シー
★第6回ナント三大陸映画祭グランプリ
★1985年アジア太平洋映画祭最優秀監督賞
©3H Productions Ltd, All Rights Reserved.
あらすじ
澎湖島の風櫃に住むアチンと彼の友人たちは悪戯や喧嘩をして日々を過ごしていた。ある日、対立するグループとの争いが警察沙汰となり、家に戻れなくなった彼らは高雄に行くことを決める。世界の映画作家に多大な影響を与えた一作。

『台北ストーリー』[4Kレストア・デジタルリマスター版]
1985年/台湾/119分
監督:エドワード・ヤン
出演:ホウ・シャオシェン、ツァイ・チン、ウー・ニェンチェン
★第38回ロカルノ国際映画祭審査員特別賞
©3H productions Ltd. All Rights Reserved.
あらすじ
1980年代半ば、過去に囚われた男と未来に想いを馳せる女のすれ違いが、変わりゆく台北の街並みに重ねられ、やがて思いもよらない結末を呼び込む。エドワード・ヤン監督、ホウ・シャオシェン主演…台湾ニューシネマの若き才能たちが総結集した、奇跡の作品。

『童年往事 時の流れ』
1985年/台湾/138分
監督:ホウ・シャオシェン
出演:ユー・アンシュン、シン・シューフェン
★第22回台湾金馬奨 最優秀助演女優賞・最優秀脚本賞
★第36回ベルリン国際映画祭 国際批評家連盟賞
© Taiwan Film and Audiovisual Institute. All rights reserved.
あらすじ
少年の成長の年代記を、彼と家族の日常をめぐるささやかな出来事で綴る。主人公のアハは、1947年広東省に生まれ、一歳のときに一家で台湾に移住した。ガキ大将的存在のアハだったが病弱な父は、アハに小さな影を落としていた…。ホウ・シャオシェン初期の自伝的要素の強い代表作。

『恋恋風塵』
1987年/ 台湾/109分
監督:ホウ・シャオシェン
出演:ワン・ジウウエン、シン・シューフェン、リー・ティエンルー
★第9回ナント三大陸映画祭 最優秀撮影賞・最優秀音楽賞
© Taiwan Film and Audiovisual Institute. All rights reserved.
あらすじ
60年代、幼い頃から田舎町で兄弟のようにいつも一緒に育ってきた中学生の少年アワンと少女アフン。卒業して台北に働きに出た二人の淡い恋とその切ない別れを描く。

『青春神話』
1992年/台湾/ 106分
監督:ツァイ・ミンリャン
出演:リー・カンション、チェン・チャオロン
★第6回東京国際映画祭ヤングシネマ部門ブロンズ賞
★1993年トリノ映画祭最優秀新人監督賞
★第15回ナント三大陸映画祭最優秀処女作賞
© Taiwan Film and Audiovisual Institute. All rights reserved.
あらすじ
台湾の首都、台北を舞台に、一人の予備校生と周囲の人間関係を通して、現代の台湾社会を独特の抑制された形式で描いた青春群像劇。ツァイ・ミンリャン監督衝撃のデビュー作。

『愛情萬歳』
1994年/台湾/117分
監督:ツァイ・ミンリャン
出演:ヤン・クイメイ、リー・カンション
★第51回ヴェネチア国際映画祭グランプリ(金獅子賞)・国際映画評論家賞
★第31回金馬奨最優秀監督賞・最優秀作品賞・最優秀録音賞
★第16回ナント三大陸映画祭最優秀監督賞・最優秀男優賞
© Taiwan Film and Audiovisual Institute. All rights reserved.
あらすじ
現代の台北を舞台に、孤独な男女3人の生き方を、冷徹なカメラワーク、極端に少ない台詞、一切の音楽の助けを借りない俳優たちの陰影豊かで繊細な演技など、抑制された演出で綴った人間ドラマ。

『河』
1997年/台湾/115分
監督:ツァイ・ミンリャン
出演:リー・カンション、ミャオ・ティエン
★第47回ベルリン国際映画祭審査員特別賞
© Taiwan Film and Audiovisual Institute. All rights reserved.
あらすじ
台北。シャオカンは街で旧知の女友達と再会。映画スタッフの彼女に誘われ、撮影現場に訪れた彼は、河に浮かぶ死体役に抜擢されてしまう。彼女と一夜をすごした後、彼は首が曲がったままになる奇病にかかっていた…。
特別上映

『HHH:侯孝賢』[デジタルリマスター版]
1997年/ フランス・台湾/ 92分
監督:オリヴィエ・アサイヤス
出演:ホウ・シャオシェン、オリヴィエ・アサイヤス、チュウ・ティエンウェンほか
©TRIGRAM FILMS, All rights reserved.
あらすじ
批評家時代から台湾ニューシネマを積極的に世界に紹介し、監督デビュー後もホウ・シャオシェンからの影響を公言して憚らない、フランスを代表する映画監督の一人オリヴィエ・アサイヤスがホウ監督とともに台湾を旅しながら、彼の素顔に迫る貴重なドキュメント。
ポスト台湾ニューシネマの作品たち(製作年順)

『熱帯魚』[デジタルリマスター版]
1995年/台湾/108分
監督:チェン・ユーシュン
出演:リン・ジャーホン、シー・チンルン、リン・チェンシン
★第48回ロカルノ国際映画祭青豹賞
★第32回金馬奨最優秀脚本賞、最優秀助演女優賞
©Taiwan Film and Audiovisual Institute. All rights reserved.
あらすじ
90年代台北。小学生のタウナンが誘拐される事件が発生。空想好きで落ちこぼれの中学生ツーチャンもひょんなことから同じ犯人に誘拐されてしまう。ところが主犯の男が交通事故であっけなく死に、困り果てた共犯のアケンは…。ワン・トン監督プロデュース、『1秒先の彼女』(20)のチェン・ユーシュン監督による傑作コメディ。

『ラブ ゴーゴー』[デジタルリマスター版]
1997年/台湾/ 113分
監督:チェン・ユーシュン
出演:タン・ナ、シー・イーナン、チェン・ジンシン、リャオ・ホイヂェン
★第34回金馬奨最優秀助演男優賞、最優秀助演女優賞
© Taiwan Film and Audiovisual Institute. All rights reserved.
あらすじ
パン職人アシェンの店にやってきたのは、かつて憧れた同級生リーホアだった。アシェンの妹リーリーは、路上で拾ったポケベルがきっかけで男と知り合った。美容師として働くリーホアの元には、恋人の妻がやってきた・・・。『熱帯魚』(95)のチェン・ユーシュン監督がポップなタッチで描く、切なくもどこか滑稽な「愛」の物語。

『狼が羊に恋をするとき』
2012年/台湾/85分
監督:ホウ・チーラン
出演:クー・チェンドン、ジエン・マンシュー、グオ・シューヤオ
★第15回台北映画祭最優秀全体技術賞
©2012 Strawberry Time Films ALL RIGHTS RESERVED.
あらすじ
「予備校に行くね」——メモを残し突然姿を消した恋人を追って、青年タンがたどり着いたのは、予備校の集まる〈南陽街(ナンヤンジエ)〉だった…。実写にアニメーションやコマ撮りを加え独特の世界観を創り出すのは、時代性を意識し、そこに共通する記憶に独自の視点と美しい構図で挑み続けるホウ・チーラン監督。

『赤い糸 輪廻のひみつ』
2021年/台湾/128分
監督:ギデンズ・コー
出演:クー・チェンドン、ビビアン・ソン、ワン・ジン、マー・ジーシアン
★第24回台北映画祭最優秀監督賞ほか
★第58回金馬奨最優秀視覚効果賞ほか
★第25回富川ファンタスティック国際映画祭オープニング上映作品
©2023 MACHI XCELSIOR STUDIOS ALL RIGHTS RESERVED.
あらすじ
落雷で不慮の死を遂げた青年が〈月老(ユエラオ)〉として縁を結ぶのは、最愛の恋人のこれからの幸せ?それとも〝あの世〟と〝この世〟を越えた禁断の恋?台湾の大ヒット青春映画『あの頃、君をおいかけた』のギデンズ・コー監督による長編3作目。

『本日公休』
2024年/台湾/106分
監督:フー・ティエンユー
出演:ルー・シャオフェン、フー・モンボー、ファン・ジーヨウ
★第26回台北映画祭最優秀主演女優賞ほか
★金馬奨最優秀助演女優賞ほか
©2023 Bole Film Co., Ltd. ASOBI Production Co., Ltd. All Rights Reserved.
あらすじ
台中にある昔ながらの理髪店。女店主のアールイは離れた町から通ってくれていた常連客の“先生”が病の床に伏したことを知り…。自身の母親をモデルに書き上げたシナリオをもとに実家の理髪店でロケを敢行し、家族や老い、新たな希望を見出す道程をリアルで現代的な視点を交えながら繊細に描き出すのは、第37回東京国際映画祭で黒沢明賞を受賞した台湾の俊英フー・ティエンユー監督。